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写真初心者のおっちゃんが、身近な生き物について、下手くそな写真と駄文で観察日記風に綴ります。きのこと家庭菜園の話題が多めです。


by at384
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アリの仕事っぷりはいつ見ても面白いので、過去にも何度か取り上げているのですが、またアリの仕事を撮影する機会があったので記事にしてみました。

f0108133_2058087.jpg発端は妻が花壇の前にコオニヤンマらしきトンボの死骸を見つけ、アリに片付けてもらおうと花壇の土の上に置いたことでした。ここで当然考えられるのは、大きな獲物のときにする「お墓」のはずだったのですが、翌日妻が見たところトンボの死骸は見当たらなくなっており、探したところ、少し離れた場所に生えているタイムの茂みの下に運ばれて、そこにお墓が作られていました。

アリの習性からしてその場でお墓を作るのかと思っていたのですが、あまりに大きすぎてお墓を作るにも時間が掛かると踏んだのでしょうか、まずは物陰に引っ張って行き、そこでゆっくりお墓を作ったようです。 獲物の大きさに応じてそんな技を使うとは思っておらず、たいへん驚かされました。

f0108133_2058667.jpgそんな話をしていた週末、今度は私がエンマコオロギの死骸を見つけたので、またアリのいそうな花壇に置きました。 するとアリたちは手頃な大きさと見たのか、物陰には運ばず、その場でお墓作りを始めました。

右の写真は死骸を置いてから10分後くらいした時のもので、そこからさらに45分ほど経ったのが上の写真です。 置いて早々にコオロギの頭はもぎ取られたのですが、45分後のものではコオロギの周囲に積み上げられた砂粒の量がうっすらと増えています。

そして面白いのはお墓作りと並行して、コオロギの胸部の下あたりにトンネルの出口が作られていることです。 以前にセミの死骸を置いた時もそうだったのですが、お墓で死骸を隠すいっぽうで、解体して巣に運ぶために獲物の下にトンネルを延長しているのでした。 相変わらずの素晴らしい仕事っぷりです。

f0108133_20581952.jpgその後も作業は綿々と続き、約9時間後の夕方に確認したところ、コオロギの死骸はすっかり砂粒に覆われてお墓がほぼ完成していました。

今回は作業の様子を最初の時点と45分後の2回に分けて動画にも撮ってみたのですが、改めて見返して面白いことに気付きました。 アリたちがせっせと死骸の周りに砂粒を運んでくるのが映っているのですが、よくよく見ると運んでくるやつがいる一方で、なぜか持って来た砂粒をまた遠くへ運び去ってしまうやつもいるのです。

以前観察した時も思ったのですが、アリたちは1匹づつに注目すると、しばしばかなりデタラメな行動に出ています。 ただ、全体として見たときにはお墓作りというあるべき方向性に進むほうが多いようで、少しずつ目的の達成に向かってゆくのでしょう。

そんなところに注目して動画を見ていただければと思います。




[写真] コオロギの死骸: 体長約3cm



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by at384 | 2016-09-11 22:25 | 昆虫・節足動物 | Comments(0)

アリ知恵

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我が家の花壇にはアブラムシ除けと、色の可愛らしさもあって、チェリーセージが植わっています。

チェリーセージの花はサルビアの花とすこし似ていて、付け根の部分に豊富な蜜があり、引き抜いて加えてみるとほのかな甘みが口に広がるのですが、それだけ蜜があればアリが寄って来ないはずはありません。 まだ花が落ちないうちからゾロゾロと枝に這い上がり、花が落ちればすかさず巣へ引っ張って行きます。

f0108133_14224776.jpgここのところじめじめと不快な日が続きますが、昨日ふと花壇の縁に目を遣ると、点々と落ちているチェリーセージの花殻のまわりに砂粒が。 この獲物の周りに砂粒を盛るという習性、まごうことなきアリの仕業です。

大きくて運びきれない昆虫の死骸の周りに砂を盛り上げてお墓を作るというのは以前に見ていますが、どうやら今回は雨で花殻が貼り付いて動かせなくなってしまったために、他の群れに横取りされないよう同じことをやっているように思われます。

人間の発想で勝手に「お墓」などと呼んでいるために、虫や小動物ではなく花というのが奇異に感じられますが、そもそもアリにとっては虫だろうが花だろうが獲物は獲物。 機械的にこのような行動を取るところがいかにも昆虫らしいとも言えますが、面白いものを見せてもらいました。

[写真] チェリーセージの花殻: 長さ約1cm



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by at384 | 2015-06-28 15:21 | 昆虫・節足動物 | Comments(0)
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最近庭に植わっているディルに青虫が発生し、捕っても捕ってもなぜか湧いてくるかのように数日経つとまたいるという状態です。 そんな中、今日も十匹ほど捕まえ、アリに処分してもらおうとアリのよく通る場所に転がしておきました。

アリはしばらくの間現れなかったのですが、そのうちたまたま通りかかった一匹が気づき、しばし突っつき回しているうちに獲物と認識したのでしょう、アゴでくわえて巣のほうに引きずって行こうと格闘しています。 青虫をアリに処分してもらうのはよくやっており、実際昨日も二十匹近いディルの青虫をアリさん葬儀社に委ねているのですが、今日はふと最初から観察してみようと思い、この様子を見ていました。

以下はその過程ですが、後の説明のために番号を振っています。

1) 発見から通報まで
小さな青虫とはいえ、アリ(トビイロケアリ?)の体長からすれば五倍近くで、しかもまだ生きているため、アリがくわえようとすると体を振って抵抗します。 どうするのかと見ていると、しばし格闘したのち、獲物を放置したまま巣の方面へ去ってしまいました。

2) 援軍到着
獲物を見つけたアリが巣に戻る際、その通り道にフェロモンを付けて行くのはよく知られたことなので、道しるべフェロモンをたどって仲間がやってくるのを期待して待っていたところ、果たして何匹ものアリがぞろぞろとやってきて、転がっている青虫に次々と食らいつきます。

f0108133_13352814.jpg3) 獲物運搬
獲物を確保したアリたちは、二〜三匹がかかって一匹の青虫をずるずると巣のほうへ引きずって行きます。 こうして獲物はアリたちの見事な協調行動によって、まるで一つの知性体が行動しているかのごとく運ばれるという、絵に描いたような大団円に至るわけです。

が、ここで個々のアリの行動に注目して観察していると、巷でよく言われているような計算し尽くされたかのようなことにはなっていないように思えてきました。 個々のアリといっても残念ながら正確な見分けは付きませんので、可能な限りではありますが、アリたちの行動は結構いい加減で、かなり頭が悪いと思われることすらあるのです。

まずは上記 3) の運搬の作業ですが、協調とは言い難い行動が数多く見られました。 例えば青虫を引きずって行く方向なのですが、障害物がほぼ無い平らな場所ではほぼフェロモンの道しるべに従ってか、お約束通りに全員が同じ方向に引っ張って行きます。 しかし、石ころや草の根など障害物のためにまっすぐ進めない場所では、一匹の青虫をてんでんばらばらな方向に引っ張り合ったり、根に引っ掛かった青虫をそのまま引っ張り続けたりして、いつまで経っても前に進みません。

このような状態に陥った際に、誰か調整役が出てくるなどということはまるでなく、次から次から手の空いたアリが参加して、ますます事態は泥沼にはまって行きます。 ただ辛抱強く見ていると、アリたちはただ好き勝手に引っ張り合っているだけなので、そのうち力の均衡が崩れて荷物が動き出し、結果的には紆余曲折を経て何とか巣のほうに持ち去られて行きました。

またもう一つ気付いたのが、アリたちには責任感などまるで無いということです。 障害物に阻まれて容易に動かせない状態の獲物を見ていると、噛み付く場所を変えるなどいろいろと試行錯誤した挙句、諦めて放り出して去ってしまうアリがしばしば見られました。 なかにはせっかく途中まで運ばれたにもかかわらず、障害物に当たったまま放置されてしまう獲物もあります。

この放置された獲物も、やがては通りすがりのアリが気付き、また運ばれ始めるのですが、ここで思い出したのが上記 1) の過程です。 最初に獲物を見つけた一匹のアリも、しばらく格闘ののち、獲物を放り出して巣に戻ってしまいましたが、ここで巣に戻ることがなかったら、そのフェロモンをたどって援軍がやってくることはなく、たまたま同じ巣のアリが通り掛かるという事象が繰り返されなければ、この獲物は運ばれないまま終わってしまうかもしれません。

アリのこの無責任さについては、障害物に当たった際の泥沼状態でも、困った力の均衡を崩すのに役立つことも考えられますので、結果的にはアリ全体としての目的達成に役立っているのでしょう。

先日NHKの科学番組でアリの行動について取り上げており、超難問と言われる巡回セールスマン問題もアリの行動を当てはめることで解けてしまうと言っていましたが、少なくとも個々のアリの能力を見る限り決してそんな才能などまるで無く、単に好き勝手に振舞っているだけのように思えます。 個々のアリの行動にはどう見ても合理性など無く、あれこれと試行錯誤を重ねているだけで、ただそれがフェロモンによってある程度方向性が揃っている点が、全くのデタラメとは違っている点なのでしょう。

アリには獲物を巣に持ち帰るという共通の行動原則があること、フォロモンによって同じ方向への動機付けが行われることと、そして無責任さによって行動が永続し得ないという特性がうまく噛み合うことで、集団全体を一個体として見たときに、優れた知性を持った生物として機能するのだと考えます。

そういえば粘菌が迷路の最短距離を解くという話もありますが、あれも決して一発で解を見付けているわけではなく、餌への本能的な志向と、表面積を小さくしようとしているのか、栄養分の濃度差なのかは知りませんが、体液の求心的な志向から必然的に最適解に到達するのではないでしょうか。

こう考えると私たち人間も個人個人が好き勝手に振舞っていれば、丸く収まりそうな気がして来ます。 しかしそう行かないのは、アリの場合は本能に従ってほぼ機械的に動いているからであって、人間の場合は下手に理性があるために、全体の行動が自然の法則を超えて、歪んだ大きな力を持ってしまうからなのかもしれません。

[写真] トビイロケアリ?: 体調約3mm



OLYMPUS TG-3 Tough

by at384 | 2015-05-24 16:04 | 昆虫・節足動物 | Comments(6)

アリの〜その後〜

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先日、アリがセミのお墓を作る様子を観察した話を書きましたが、その後さらに面白い行動が見られましたので、またお知らせします。

強制的に場所を移動してしまったセミの死骸の周りに再び砂粒を集めてお墓を作ったアリは、翌日の昼間になると、ぱたりと姿を見せなくなり、まるでせっかく作ったセミのお墓を放棄してしまったかのように静まりかえってしまいました。

f0108133_935397.jpg今週は猛暑が続いていたこともあり、もしかしてアリもあまりの暑さを避けているのだろうかと妻と話していたのですが、翌朝見てみると新たな変化が。 それまでアリが出入りしていたセミのお墓から二センチほど離れた巣の出口のほかに、新たにそのお墓のセミの死骸のすぐ脇に巣穴ができて、アリが盛んに出入りしているのです。

どうやらアリは猛暑を避けて休んでいたのではなく、映画か何かの金庫破りよろしく直下までトンネルを掘り、最短距離で巣に持ち帰ろうと準備をしていたのではないでしょうか。

前回の記事で紹介した『ハキリアリ 農業を営む奇跡の生物』という本に「超個体」という言葉が載っていました。 大雑把に言えば高度な社会性を持ったアリの集団のように、集団を構成する個体の集合体としてではなく、あたかも集団全体がひとつの個体のごとく行動するものを意味するようですが、このアリの様子はまさに「超個体」を思わせるものでした。

[写真] アブラゼミの死骸: 体長約4cm



RICHO CX3

by at384 | 2014-08-23 09:52 | 昆虫・節足動物 | Comments(4)

アリの〜

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先日、NHKの『ダーウィンが来た』で『不思議いっぱい!身近なアリ大研究』と題してアリの生態を取り上げていたのですが、じつは大のアリ好きの私たち夫婦は大喜びで見ていました。

その中でとくに興味を持ったのが「アリがセミのお墓を作る」話で、大き過ぎる獲物を解体して運ぶ間に横取りされないよう、砂粒を周りに積み上げて隠しているのではないかということだったのですが、たまたまその日の昼間にベランダに転がっていたセミの死骸を、「アリに処分してもらおう」などと言って花壇に転がしておいたこともその理由のひとつです。

f0108133_23582573.gifこの話を聞いて翌朝、早速花壇に置いたセミの死骸を見たところ、本当に周りに砂粒が盛り上げてあり、その見事さに感動しました。

さらにその後、妻がその様子をもう一度観察してみようと、セミの死骸を別の場所に移動するという実験を行い、その様子を観察したのが右の連続写真です。 ものの見事に砂粒が積み上げられて行く様子がわかります。

f0108133_001075.jpgそしてこれもたまたまなのですが、その二日前にたまたま書店で右のような『ハキリアリ 農業を営む奇跡の生物』という本を見つけて衝動買いしており、アリで盛り上がったここ数日となりました。

ちなみにこの本、海外の研究者が書いた著作の翻訳書ながら図版も豊富でわかりやすく、とても面白い内容で、アリに興味があるかたはお勧めです。

[写真] アブラゼミの死骸: 体長約4cm



RICHO CX3

by at384 | 2014-08-22 00:37 | 昆虫・節足動物 | Comments(0)