
妻が編み物の余り糸で作ってくれたきのこの編みぐるみの四十七作目、ヤグラタケです。

ヤグラタケなどどこにでも生えているでしょう、という話もありますが、近場の公園などをシロにしている私たちにとっては、なかなか出会えるものではありませんし、なにより、きのこの上にきのこが生えるという姿は理屈ぬきにおもしろく、かわいらしいものです。

最初はあくまでヤグラタケが主役ということで、クロハツは黒ずんでぐしゃっと歪んでいれば、それっぽく見えるだろうと軽く考えたものの、いざ上に生やしてみるとクロハツが妙に不自然で、あれこれ手を加えて行くうちに、気がつけばクロハツのほうにずっと時間を費やしてしまいました。
具体的には柄の部分がきれい過ぎるということで、古びて汚れたような感じを出すべく、黒っぽい毛糸を不規則に編み込んだり、ひだの存在感を強調するために詰め物をしたり、ヤグラタケの根元が取って付けたように見えないよう、白い毛糸をほぐして菌糸のように這わせたりなどしてみたのですが、なんとか雰囲気は出せたのではないかと思います。
なお、今回も恒例の、裸眼立体視写真を載せておきました。

[追記]
先日、山と渓谷社より堀博美さん著の『ときめくきのこ図鑑』が刊行されましたが、じつはその一頁に妻の編みぐるみを取り上げていただいており、前作のシワチャヤマイグチの制作途中の様子も載っています。 ご興味をお持ちのかたは、ご覧ください。
[写真] ヤグラタケの編みぐるみ: 直径約10cm(クロハツ込み), 傘径約2.3cm(単体)
実物は傘径約1.2cm
PENTAX K-5 + DA35mm F2.8 Macro Limited
Optio 750Z

オカワカメ栽培2012: 26

そして先週の時点ではほとんどわからなかった香りですが、さすがにこれだけ咲いているとわかります。 ただ、これだけ咲いているわりには本当にかすかで、近所で料理やたき火など、ほかのにおいが出ていると、すっかり覆い隠されてしまうほどです。


そしていくつかの根の先端からは、もう芽が出始めています。

天気予報では明日から明後日にかけて強力な台風が直撃しそうな様子ですが、まだ半分ほどつぼみが残っているオカワカメの花がどうなることか心配です。
[写真] オカワカメの花: 花穂の長さ約10cm
PENTAX Optio 750Z

バジル栽培2012: 27
種播きから百四十七日後のバジルの様子です。
ぼうぼうに伸びて、葉もゴワゴワに固くなってしまっていた我が家のバジルですが、妻が見るに見かねていっきに刈り取り、バジルペーストにしてくれました。 さすがにバジルペーストも単独では若干苦みが出ていましたが、実際に焼いた魚に塗って食べた感じでは気にならない程度でした。
これでかなりすっきりしたバジルですが、長期予報ではまだ気候が比較的高温ぎみに推移しそうな雰囲気なので、もう一回ぐらい収穫することになるかもしれません。
[写真] バジル: 草丈約30cm
PENTAX Optio 750Z

いわゆるきのこグッズは買いだすときりがないので、我が家ではあまり積極的には手をださないようにしています。

右のようなデザインの布(これもまた購入したキッチンタオルです)なのですが、このシリーズの今年の新色(?)の緑地のものが八月に日本で発売になり、それを使ったバッグやエプロンなどの商品が出ていたようです。 その中のショッピングバッグがたいへんかわいらしく、見ているうちにどうしても欲しくなって購入してしまいました。
マリメッコの商品自体それほどくわしくはなく、あとで調べてわかったことなのですが、植物などさまざまの柄の布があるなかで、きのこの柄はこのシリーズだけで、きのこを題材にしたデザインとして一般的な傘と柄のあるきのこはないようです。

マリメッコはフィンランドの会社だそうですが、きのこに親しんでいる北欧の人びとならではの発想なのでしょうか。
[写真] ホコリタケ: 直径約1.2cm
RICHO CX3

昨年までのここ数年間、秋の長雨らしいものがほとんどなくて、この時期きのこの凶作ぶりに嘆いていたものでしたが、今年はいまのところ雨に恵まれているようで、期待が高まります。
そんな気候と関係あるはずもないのですが、面白いことに、ここひと月ほどの間に次々ときのこ関連の書籍が、まるで雨後のタケノコならぬ、雨後のきのこのごとく発行されて、あまりの豊作ぶりに思わずごっそり衝動買いしてしまいました。
まだ入荷待ちで手元に届いていないものを含めると、
『里山のきのこ』 本田尚子
『きのこ絵』 吹春俊光・海野 弘・鈴木安一郎・本郷和人・萩原博光
『小学館の図鑑NEO きのこシール』 大作 晃一
『ときめくきのこ図鑑』 堀博美
(敬省略)
と、方向性もいろいろで、それぞれ異なった楽しみがあります。(つられて新刊本以外にもあれこれと手を出してしまい、すごいことになっています)
いずれも個性的ですてきな本なのですが、その中で一風変わっていて妙に心に引っ掛かったのが『里山のきのこ』です。 水彩で描かれたきのこの画集なのですが、面白いのは題材となったきのこの選択で、いかにも有名どころを揃えましたという感じではなく、かといって奇をてらったようでもなく、なんだか微妙に不思議なずれを感じて、妙に心をくすぐられてしまうのです。
なにより面白いのは、どういうわけかムラサキヤマドリタケの出現頻度が突出して高いのです。 図鑑ではないので、掲載されているきのこの種類は決して多くはない中で、ムラサキヤマドリタケがなんと十一ページに描かれています。(ページ数だけで言えばヤマドリタケモドキも同じなのですが、ムラサキヤマドリタケは見開きで八個体も描かれているのです!)
ベニタングタケが突出しているというならよくありそうですが、この本田尚子さんとおっしゃるかたは、よほどムラサキヤマドリタケがお好きなのでしょうか。 私も深大寺に越してきた直後に上の写真のみごとなムラサキヤマドリタケに出会ってから、大好きになってしまったので、この本での異様に高い出現率を見ていると、自分まで楽しくなってしまうのです。

昆虫関連の本ならまだしも、きのこの本でわははカメムシを見たのは初めてでしたので、その点でもこの本は、私の心の琴線に触れるものがあります。
というわけで、いろんな意味で面白い画集でした。
[写真] ムラサキヤマドリヤケ: 傘径約4cm, アカスジキンカメムシの五齢幼虫: 体長約1cm
PENTAX Optio 750Z / PENTAX K-5 + DA35mm F2.8 Macro Limited

オカワカメ栽培2012: 25

ようやっと夏の暑さが一段落し、少なくとも朝晩は涼しいと感じられるようになりました。 先週までは、今年はさすがに「暑さ寒さも彼岸まで」というわけには行かないのではと危ぶんでいたのですが、いざお彼岸になってみると、不思議なくらい当たっているのに感心してしまいます。

よく見ると、花穂の長さも増しているのですが、さらに花穂自体が七、八本に枝分かれしています。 夏の頃の異様な成長の早さには驚かされましたが、まさか花までもがそんな生命力を持っているとは思いませんでした。

開花は一昨日から始まっており、毎日少しずつ増えてきているのですが、天候が今ひとつなのが影響しているのか、不気味なまでの成長ぶりと較べて、ずいぶんとゆっくりな進み具合です。
このぶんでは、満開になるにはまだ一週間ぐらいかかるのではと思われますが、満開になったらかなりすごいことになりそうで、楽しみです。
[写真] オカワカメの花: 直径約3mm
PENTAX Optio 750Z

バジル栽培2012: 26

先週、青虫がついてしまって、おじけづいたというわけではないのですが、ついつい放ったらかしにしてしまい、草丈は伸び、花芽も出て、葉もますますテカテカと固そうになってしまいました。
とりあえず、この固そうな葉をとってしまわなければ、柔らかい葉が生えてきませんので、また大量に収穫して、バジルペーストにでもしておこうかと思っています。
[写真] バジル: 草丈約60cm
PENTAX Optio 750Z

このブログでも何度かご紹介しているのですが、芸術的なきのこランプ作品を制作されている、高野幸雄さんが下記のとおり展覧会を開かれるそうですので、勝手に紹介してしまいます。
これは必見ですね。 今から楽しみです。
『暗闇きのこ〜mushroom in the dark〜』展
<日時>
2012年10月6日(土)7日(日)8日(月)
11:00〜20:00 ※初日のみ23:00まで
<場所>
BOX KI・O・KU
東京都青梅市西分町3-123
詳細は高野さんのブログをご参照ください。

きのこ写真のページ『役に立たないきのこの写真帖』を約二年ぶりに更新しました。
じつは、きのこ写真のページを大改造していまして、それに時間がかかったうえに、あわせて掲載していた写真も見直しをかけて大幅に増やしてしまったところ、遅々として作業は進まないわ、新しいきのこの写真はどんどん増えるわで、こんなことになってしまった次第です。
あまりに時間がかかるゆえ、とりあえず今回はいったん昨年の八月までの写真で更新を行い、その後少しずつ追加しながら、なんとか来年の春までには今年の分の写真も追加できればと考えています。
一年以上前の、まったく旬でない写真でお恥ずかしいのですが、ご覧いただければ幸いです。
[写真] チャツムタケ?: 傘径約4.5cm
今回追加した2011年の写真より(神代植物公園にて)
PENTAX K-5 + DA21mm F3.2 AL Limited

※上の写真は番組とは一切関係ありません
ひとつ前の記事の末尾に、ついでのように取り上げてしまったのですが、後から録画したものをみたところ、とても素晴らしい番組たっだので、あらためて再度取り上げます。
今朝のNHKの連ドラが終わったあと、ついついテレビを消すのを忘れていたところ、『光る森・神秘の発光を追う』という番組が始まって画面に光るきのこが映っており、あわてて録画しました。 内容は四国の山中に生える、シイノトモシビタケを始めとする光るきのこを取り上げたもので、そのときはきちんと見ている暇がなかったため、とりあえず録画だけしておきました。
先ほど時間ができたのでその番組を見たところ、その素晴らしい映像に、目が釘付けになってしまいました。
失礼な言いかたで申し訳ないことに、最初はちょっとした旅番組のような雰囲気で案内されているなど、面白半分に取り上げただけの中途半端な番組だろうと思っていたのですが、そのような場面はほんの一部分で、国立科学博物館の保坂健太郎さんによる現地調査の様子や、調査結果なども出てきて、中途半端どころかとても深い内容のものでした。
このような番組があるとは知らず、録画も冒頭が欠けて、最初の数分を見られなかったのがとても残念だったのですが、いつか再放送でもしてくれないでしょうか。