
ベランダ菜園2008: 39
種蒔きから十九週間後のバジルです。
二、三週間ほど前から発生しだしたハダニとアザミウマは、一体どこからやってくるのか不思議になるほど、捕っても捕っても、翌日には必ず付いています。とりあえず現在のところは、壊滅的な被害を受ける前に除去できていますが、おかげで毎朝水やりのほかに、葉水と、害虫捕りが日課になっています。
一方で、猛暑が一段落したせいか、以前は一日一センチを超えるほどだった成長の速度はすっかり鈍り、葉の色は濃くなって、やや固そうになってきました。毎年、バジルを大きく育てて、ジェノベーゼのパスタを作るのを楽しみにしているのですが、このままだと、大きくなる前に葉が固くなって、香りも弱くなってしまうのではないかと思えてきます。
かといって今の大きさでは量的に中途半端なので、このままもう少し待ってみるか、今収穫して、今年は別の用途にするか、悩ましいところです。
[写真] バジル:草丈約30cm
PENTAX Optio 750Z

ベランダ菜園2008: 38
小さな苗で買って来た我が家のシシトウは、実がなりだした一時期は成長がやや鈍ったものの、その後は猛暑の中をぐんぐんと成長し、草丈、幅ともに八十センチ近くにまでなっています。さすがにここまで大きくなると、狭いベランダの上では、はっきり言って邪魔です。
ここまで株が大きくなっているにもかかわらず、花は咲いても結実することなく落ちてしまい、わずかに実ったシシトウは当たり率がほぼ十割で、激辛の青唐辛子として活躍するといったありさまです。しかも、あまりに葉が茂ってしまったために、実がどこにあるかわからずに、気が付くと赤くなっていることすらあります。
そこで、思い切って剪定してみようかと考えているのですが、せっかくなので、切った枝に付いた葉を野菜として食べられないかと目論んでいます。よくデパ地下などで、葉唐辛子の佃煮が売られており、ぴりっと辛くて好きなのですが、基本的にはシシトウも唐辛子の仲間ですし、今では激辛の実しか付けない我が家のシシトウなら、もしかすると葉っぱも辛味があるかもしれません。
というわけで、とりあえず葉を湯がいてから試食してみて、辛ければ佃煮に、辛くなければ野菜炒めにでもしようかと思います。果たしてどうなるか、楽しみです。
[写真] シシトウ:草丈約80cm
PENTAX Optio 750Z

以前、バジルのプランターにコバエが発生し、「コバエがホイホイ」を置いてみたものの、猛暑で乾いてしまってだめだった話を載せたのですが、その後、粘着式の適当なものを探しているうち、ふと食虫植物にしたらどうだろうかと、妙な気を起こしてしまいました。
どこで聞いたのか忘れましたが、サラセニアは育てやすいらしく、さらに調べてみると、食虫植物の中でもよく虫を捕るということで、気持ちはすっかりサラセニアに傾き、新宿の京王百貨店の屋上で売っているのを見つけて買ってきました。

その後もコバエは、まるで馬鹿にするかのように、サラセニアの口を平然と出たり入ったりし、とうとうそのまま飛んでいってしまいました。他のコバエが来ないものかと、そのまま暫く見張っていたのですが、結局飛んで来ても口には入っていかず、葉の脇に止まる程度で、まんまと口の中に落ちていく奴は現れませんでした。

どうやら生えた場所を動かない植物にとっては、虫をよく捕るといっても、その時間感覚は相当のんびりしているようで、それにひきかえ、すぐに結果を求めようとする私は、まさにサラリーマン根性丸出しという感じです。そもそも、そんなにほいほい虫が捕れるようでは、捕虫葉はすぐに満杯になってしまいます。
というわけで、当初の目論みは外れてあまりコバエ取りの顕著な効果は期待できず、趣味の鉢植えが一つ増えただけになってしまったようです。
[写真] サラセニア(種類は不明):草丈約10cm
PENTAX Optio 750Z

先日、近所の公園脇を歩いていると、目の前に何や小さな繭のようなものが、ぶーらぶらと現れました。繭にはウズラの卵を思わせる白黒模様があり、のんびりと揺れているさまは、何だか楽しそうにも見えます。
風でふらふらと揺れ動くために撮影に苦労しましたが、家に戻ってから調べてみると、ホウネンタワラバチという寄生バチの繭だということがわかりました。
この何やらめでたそうな名前は、稲の害虫であるフタオビコヤガ(見たことはありませんが)の幼虫に寄生するために、このハチの繭が稲からたくさんぶらさがっている時は豊作になる、というところから来ているそうです。
私自身稲作をしているわけでもなく、近所には水田もないので、ホウネンと言われてもこれといって物質的に得するものはないのですが、少なくとも好奇心だけは満たしてくれました。
[写真] ホウネンタワラバチの繭:長さ約5mm
PENTAX Optio 750Z

ベランダ菜園2008: 37
種蒔きから十七週間後、まるで猛暑をエサにしているかのように、バジルはすくすくと育っています。
ここ何年か失敗続きだった我が家のバジル栽培も、このところの育ち具合から今年は久々に絶好調かと安心していたのですが、やはりそう甘くはないようです。うっかりしているうちに、気が付くと葉のあちこちに害虫の喰った痕である白い点々が現れだしました。

とりあえずハダニについては、葉を一枚一枚めくりながら、裏側にも丁寧に葉水をすることで、かなり退治できましたが、そうしているうちに、更にとんでもない奴を見つけてしまいました。アザミウマ(スリップス)です。

アザミウマは大体八月中旬頃になると現れだすので、そろそろ警戒が必要な時期です。今回はまだ数も少なく、ハダニ対策の葉水が効いているのか、新たな発生は見ていませんが、ハダニのように水が嫌いという情報はないので、毎朝水やりのときに確認し、見つけたら取り除くようにせねばと思います。
[写真] バジル:草丈約20cm
PENTAX Optio 750Z

セミつながりでもう一題。
先日朝、武蔵関公園を散歩していたところ、樹の幹に何やら青白いものが付いているのを見つけ、近づいてみると羽化途中のアブラゼミでした。
今までの経験からすると、夜八時頃に這い出して来て、そこから二時間ほどで羽化してしまうものと思っていたのですが、朝七時過ぎになってまだこんな状態というのは、天敵の鳥に見つけられやすいことから考えても、何か変な気がします。一匹ぐらいならたまたまということもあるかもしれませんが、すぐ近くの樹にもやはり羽化したてで、羽根がまだ白っぽいアブラゼミがいたので、偶然とも言い切れないものがあります。
たまたまこの公園だけがそうなのか、普遍的な現象なのかはわかりませんが、最近夜中でもセミが鳴いていたり、羽化途中で力尽きている幼虫をよく見かけたりするので、もしかすると都市化の影響で生体リズムを狂わされているということもあるのかもしれません。
ところで、我が家の近所ではもの凄い数のセミが発生しており、地面は穴だらけなのですが、この武蔵関公園はさらにそれを上回っており、地面は下の写真のごとくで、陥没しやしないかと心配になるほどでした。

[写真] 羽化途中のアブラゼミ:体長約2.5cm
PENTAX Optio 750Z

先月末ごろはセミが鳴かないなどと言っていたのですが、いつの間にかすっかり周りじゅうセミだらけになり、今ではセミの声がまるで音の壁のように、うわーんと反響しているような状態です。
いつからこんなになったのか、はっきりと確認してはいないのですが、この辺りに大雨が降った後のような気がします。やはり土が乾燥し切っていて出にくかったのかとも思いますが、大雨とほぼ時を同じくして地震があったり、結局セミが鳴かなかった理由はわかりません。
ともかく、この一週間ほどの間で一気に増えたのは確かなようで、近所の植え込みや樹木には大量の抜け殻がくっ付いており、中には上の写真のように、大混雑になっているところもあります。
ところでセミが現れだす時期は、セミの種類によって異なるようで、この辺りではミンミンゼミ、アブラゼミの順で出てきて、最後にツクツクホウシが現れて夏が終わるというのが例年の流れなのですが、今年はセミが出遅れたせいか出現の間隔が短く、今朝はもうツクツクホウシの大合唱になっていました。
[写真] アブラゼミの抜け殻:体長約2.5cm
PENTAX Optio 750Z

ベランダ菜園2008: 36
種蒔きから十六週間後、猛暑の中、バジルたちは相変わらず元気に成長しています。
腋芽が育って株全体が横に広がってきたので、下の方の葉は日が当たらなくなり、色が悪くなってきました。このまま放っておいてもいずれは枯れて落ちてしまうと思われるので、あまり美味しそうではありませんが、これらは穫って食べてしまおうと思います。
ところで、バジルを育てているプランターは、欲張って六十センチ幅の大きなものを使っているのですが、プランター一杯に蒔いた種はどんどんだめになっていって、残っているのは隅っこの方に生えたこの三株のみです。そこに来て摘心で腋芽が大きくなってきているので、すっかり窮屈になってしまいました。
周囲には無駄に広い空きができているので、何だか妙な感じなのですが、今更植え替えるわけにも行かず、このまま大きなプランターの隅っこで育てるしかないようです。
[写真] バジル:草丈約20cm
PENTAX Optio 750Z

ベランダ菜園2008: 35
種蒔きから十五週間後、今度は二番目に育ちのいいバジルを摘心しました。

花屋さんの店先や八百屋さんでバジルを見かけると、ついつい比較してしまうのですが、これまではなんとなく見劣りがしていた我が家のバジルも、今ではすっかり恰幅が良くなり、羨ましく思うこともなくなりました。特に葉の色つやに至っては確実に勝っており、店先を通りながら心の中で勝ったとほくそ笑んでいます。
