地衣類が笑顔な苔の森
2017年 08月 06日
博物ふぇすてぃばる! が終わって準備作業から解放されたので、いざきのこを見に行かんと思ったのですが、耳に入るのは少雨で不発の情報ばかり。 なんとか近場で湿っていそうな場所を求めて、北八ヶ岳の「苔の森」の情報を見つけ、苔が生える場所なら大丈夫だろうと出かけました。
行くまで知らなかったのですが、ここは最近ジェイアール東日本の旅行商品の宣伝で取り上げられたそうで、大混雑となって駐車場がすぐに埋まってしまい、下手をするとかなり離れたスキー場の駐車場で順番待ちになってしまうとか。 幸い休みを取って平日に行けたので、駐車場はなんとか入れました。
その苔の森に入って行くと、いつ降り出すかという曇天のせいもあったのですが、実に涼しく心地よいところです。 そして期待にたがわず、場所によってはぬかるむほどの湿りっぷりでした。
名前の通り、うっそうとした森の中は様々な種類のコケがそこかしこに群落を作っていましたが、地衣類も負けじと樹の幹や岩に集団を作っています。 今までも行く先々で地衣類は目にしてきましたが、この密度の高さは初めてでした。
そして何より特徴的なのは、私の印象では隅っこの方でおとなしくかたまっている感じであった地衣類が、ここでは自分たちが主役と言わんばかりに大集団を作って目の前に陣取っていることです。
なかでもひときわ元気なのがウグイスゴケで、反復発芽する様子がまるで皆んなでバンザイをして喜んでいるかのようでした。 ウグイスゴケ以外の地衣類も、今までどちらかと言えばむっつり黙って貼り付いている印象だったのが、ここではみんな表情たっぷりに笑顔を振りまいているかのようです。
残念ながらきのこは数こそいたものの、種類的には少なかったのですが、それを補って余りある地衣類の楽しそうな姿が素敵な場所でした。 ちなみに、小淵沢からここに向かう途中の山道にサルオガセの大集団があり、ここでも見られるかと思って通過してしまったのですが、苔の森ではサルオガセは見つかりませんでした。