アリのお墓作りの動画です
2016年 09月 11日

アリの仕事っぷりはいつ見ても面白いので、過去にも何度か取り上げているのですが、またアリの仕事を撮影する機会があったので記事にしてみました。

アリの習性からしてその場でお墓を作るのかと思っていたのですが、あまりに大きすぎてお墓を作るにも時間が掛かると踏んだのでしょうか、まずは物陰に引っ張って行き、そこでゆっくりお墓を作ったようです。 獲物の大きさに応じてそんな技を使うとは思っておらず、たいへん驚かされました。

右の写真は死骸を置いてから10分後くらいした時のもので、そこからさらに45分ほど経ったのが上の写真です。 置いて早々にコオロギの頭はもぎ取られたのですが、45分後のものではコオロギの周囲に積み上げられた砂粒の量がうっすらと増えています。
そして面白いのはお墓作りと並行して、コオロギの胸部の下あたりにトンネルの出口が作られていることです。 以前にセミの死骸を置いた時もそうだったのですが、お墓で死骸を隠すいっぽうで、解体して巣に運ぶために獲物の下にトンネルを延長しているのでした。 相変わらずの素晴らしい仕事っぷりです。

今回は作業の様子を最初の時点と45分後の2回に分けて動画にも撮ってみたのですが、改めて見返して面白いことに気付きました。 アリたちがせっせと死骸の周りに砂粒を運んでくるのが映っているのですが、よくよく見ると運んでくるやつがいる一方で、なぜか持って来た砂粒をまた遠くへ運び去ってしまうやつもいるのです。
以前観察した時も思ったのですが、アリたちは1匹づつに注目すると、しばしばかなりデタラメな行動に出ています。 ただ、全体として見たときにはお墓作りというあるべき方向性に進むほうが多いようで、少しずつ目的の達成に向かってゆくのでしょう。
そんなところに注目して動画を見ていただければと思います。