きのこの編みぐるみ 〜 スッポンタケ
2015年 03月 15日
妻が作ってくれたきのこの編みぐるみの六十一作目、スッポンタケです。
以前から編みたいと言いつつなかなか着手しないので、前に作ったキヌガサタケの網をなくしただけではないかと話していたのですが、どうもそういうものではないらしく、そもそもキヌガサタケ自体今となっては完成度が物足りないのだとか。
そうこうするうちに三年ほど経って一昨年、神代植物公園内でスッポンタケのシロを見つけ、いろいろな形や状態のものを見られるようになってからは、ようやっと頭の中のスッポンタケの印象が具体的になってきたらしく、この度ようやっと機が熟して着手することになりました。
出来上がったものを見てその「物足りなさ」がわかったのですが、最も表現したかったのは摩擦や乾燥や、ハエなどの虫に舐め取られたためなどでできた、グレバのかすれ具合だったようです。グレバのてらてらした質感は毛糸とは相容れないため、それを表現する手段がこのかすれた感じでした。
ちなみにまだ卵の状態の時にグレバを包んでいる半透明の粘液は、以前もこの目的で用いたエコアンダリアという荷作りテープのような素材で、スッポンタケ科やアカカゴタケ科の卵では確立した手法となっています。
スッポンタケはこの粘液がとくに目立ち、成菌でも卵の淵から顔を覗かせていることから、その感じも表現し、また神代植物公園でよく見かけた「カリメロ」状態のものも添えて、盛りだくさんな作品となりました。
なお、今回も恒例の交差法による裸眼立体視写真を載せています。