ショクダイオオコンニャクときのこ
2011年 12月 02日
先日『探偵!ナイトスクープ』で「イカタケを見たい」という依頼が取り上げられているのを見ましたが、きのこ、とりわけ腹菌類好きとしてはうらやましくて仕方がありません。
それからというもの、奇天烈で珍しくて臭い生き物が近所に生えてきたりしないものかなどと半ば本気で願ってすらいたのですが、なんと奇遇なことに、本当にそんなものが近所に生えていたのです。 既に新聞やテレビなどで取り上げられているのでご存知のかたも多いとは思いますが、神代植物公園の温室でショクダイオオコンニャク(スマトラオオコンニャク)が開花し始めたそうなのです。
きのこではありませんが、その生態や姿の奇天烈さ加減も、七年に一度ぐらいしか咲かないという珍しさも、そしてハエを受粉に利用するための肉の腐ったような悪臭も、イカタケにじゅうぶん匹敵するではありませんか。
窓から温室が見えるほど目と鼻の先に住まいながら、今まで知らずにいた間抜けさはともかくとして、これを見逃す手はありません。
さっそく今朝開園早々に乗り込んでみると、すでに温室は入場制限となって入口まで順番待ちの列ができています。 それでも三十分ほどで見ることができました。
今回咲いたものは肉穂花序がちゃんと育っていないために、大きさや悪臭は今ひとつではありますが、それでも異様な姿は迫力充分でした。
そして更に奇遇なことに、このショクダイオオコンニャクを見ていたとき、その根元に何やら別の怪しげな姿があるのに気付きました。
鉢に指してある名札の裏側と、ショクダイオオコンニャクのすぐ脇に、薄黄色いきのこが生えているのです。
鉢の周囲が立ち入り禁止になってあまり近付けないので、はっきりと姿を確認することができませんでしたが、雰囲気的に小型のカラカサタケの仲間のようです。 若干色は薄めですが、黄色っぽい色からコガネキヌカラカサタケかもしれません。
昨日妻が撮ってくれた写真では姿が認められないので、おそらくこの一日の間に生えてきたものと思われます。
あくまで私の主観ではありますが、温室で大事に育てられているところにちゃっかり相乗りし、開花と合わせるようにぬけぬけと生えてくるお調子者ぶりが、まさにきのこ的という気がして、声にこそ出しませんが「あっぱれ」と声をかけたくなりました。