打ち止めのムラサキシメジ
2011年 11月 07日
来週こそ、来週こそ、と毎週言い続けているうちに、何だかきのこの季節が終わろうとしているような気がします。
私の場合、きのこ探しを終える頃合いとしてムラサキシメジを目安にしています。 ムラサキシメジと言っても、じつは結構早いうちから出ていることもあるのですが、私のいい加減な経験上、晩秋になると色の濃くて鮮やかなものが出てくるように思っていますので、目安にしているのはそういう濃い色のやつです。
きのこ好きのかたから見れば何ともお粗末な考え方なのでしょうが、どこかで見切りを付けないときりがないので、とにかく濃い色のムラサキシメジを見たら、その週でおしまいと決めているのです。
で、じつは今年はもう十月の中旬にその濃いやつを見てしまったのですが、そもそも秋のきのこをまだろくに見ていなかったので、さすがにきのこ探しを打ち切る気にはなれず、見なかったことにして未練がましく毎週あちこちを探しまわっていました。
しかし何とも運が悪かったのか結局大きな盛り上がりもなく、気がつけば霜月になり、もう終わりなんだぞ、と言うかのようにムラサキシメジが次々と現れてきたので、先週末に今年最後のきのこ探しをしました。
結果はやはり寂しいものとなったのですが、その中で小粒ながら終わりを飾ってくれたのはアカヤマタケでした。 どういうわけか、今年は夏の初めから不思議とアカヤマタケに縁があり、あちこちでよくアカヤマタケの仲間に遭遇しました。
結局最後までアカヤマタケだったのですが、思い返せば妙にアミガサタケづいていた年もあり、今年に限らず、きのこにもその年々に縁があるのでしょう。
そして最後の最後に、おまけのようにぽつんと現れたのが、右の写真のきのこです。 図鑑の写真とはかなり異なっているので自信はありませんが、頭部の色、柄の太さや凹凸の感じから、クロノボリリュウタケの幼菌ではないでしょうか。
クロノボリリュウタケは今まで見たことがなく、締めにお初の菌を見られたというのは、何だか来年を期待させるものがあります。 しかもなんと来年は辰年ではありませんか。
まだ師走にもなっていないのにこんな言い回しも変ですが、来年も素敵なきのこたちと出会いたいものです。