へんちくりんな棒はトトロの贈り物
2007年 09月 17日
地面からにょっきと生えた妙ちくりんな棒、この昔よくあった肩たたき棒のような物は、もちろんきのこです。なんと背丈が30センチ近くもある極めて大型のきのこで、東村山市と所沢市の境にある八国山緑地で見つけました。
有名な話ですが、八国山緑地は『となりのトトロ』のモデルになったと言われている雑木林です。見るからにきのこが生えそうな雑木林で、六月頃から何度か足を運んできのこの写真を撮っていたのですが、実はこのマントカラカサタケが生えるという情報をネットで見つけ、こんな珍妙な形のきのこなら是非とも実際に見てみたいと思っていたのでした。
ネット上の情報では2005年の8月と2006年の9月に見つかっているようなので、雨が大量に降った後の今頃が狙い目かと考えて出かけたのですが、何とも幸運なことに、見事どんぴしゃりと生えているところに出くわすことができました。ただ、30センチという大きさは事前に知っていたものの、見つけた時あまりの小ささに少々拍子抜けしてしまいました。期待が大き過ぎて、頭では30センチと記憶していながらも印象だけが勝手に膨らんでしまい、腰の高さぐらいあるものと想像していたからです。実物を目の前に、次第に頭の中の30センチが、現実の30センチに修正されて行くに従って、興奮がこみ上げて来ました。
この写真の状態はまだ傘が開く前のもので、傘が開いてしまうと、きのこらしさが増して珍妙さが半減してしまうのですが、この姿が見られたのは幸運でした。私が今まで見た中では一二を争う面白いきのこです。
ところでこのきのこ、具体的な場所まではわかっておらず、全然違う場所を探していたのですが、この日、他の場所できのこを探していたりお弁当を食べていると、私たちの周りにポトンポトンと、しきりにどんぐりが落ちてくるのです。妻と「トトロが何か催促してるみたいだ」などと冗談を言っていたのですが、結局どんぐりの音に誘われるというか、追い立てられるかのように、緑地の尾根道を奥の方まで進んで行ったところで出会うことができたので、もしかするとトトロが場所を教えてくれていたのかもしれません。
暑くてしんどい日ではありましたが、そんな空想が楽しい八国山緑地でした。