究極のヒトヨタケ
2006年 08月 04日
近所の公園脇に春、新しいウッドチップが撒かれたのですが、長々とぐずついた梅雨の終わり頃、夜帰宅する時、すっかり熟成したこのウッドチップのあちこちに、小さなきのこが顔を出しているのを見つけました。ところが翌朝出勤時に見ると、生えていたはずのきのこの姿がどこにも見当たらないのです。
最初は勘違いかと思ったのですが、きのこの数は日に日に増えて行き、ウッドチップを埋め尽くす程になって来ました。これは何とかして謎を突き止めねばと思い、ある日の早朝、写真機を持って見に行ったところ、見事彼らに出会うことができました。
実は彼らは夕方頃生え出して、夜の間に大きくなり、早朝に開き切った後はすぐにぐったりとしおれてしまう、本当に一夜で消える究極のヒトヨタケなのでした。それがわかったので、週末の休日、このきのこが生えてから消えるまでを追いかけてみました。
左の薄茶色のきのこが、夕方に生えてきたばかりのきのこです。背丈は五〜六ミリ程度のごく小さなものなのですが、私が帰宅時に見ていたのはこの姿です。
そして翌朝六時過ぎの姿が最初の写真や下の二枚の写真です。背丈は二〜三センチのひょろひょろに変わっています。傘は半開き状態のものは灰色になり、開き切ると灰白色のぺらぺらと透き通るような色に変わります。
そして、私が出勤で家を出る八時頃には左の写真のように傘も柄もぐったりとしおれてしまいました。
この写真を撮った日はたまたま朝に雨が降らなかったのですが、梅雨の終わり頃は強く降ることが多いため、強い雨に打たれて、すっかり溶けて流れてしまったというのが、どうやら一夜にして消えてしまう理由のようです。
いわゆるヒトヨタケはこれよりもう少し大型で、短命とは言いながらも丸一日ぐらいは持つのですが、このきのこ、これもヒトヨタケの仲間なのですが、まさに一夜にして生え、消えてしまうという、究極のヒトヨタケではないでしょうか。