きのこの編みぐるみ 〜 水を吹くきのこ
2015年 08月 16日
妻が作ってくれたきのこの編みぐるみの六十九作目、水を吹き出すきのこです。
今までは基本的に同定されたものだけが作品になっていたのですが、これは私の怠慢のために同定できないまま先に編みぐるみになってしまいました。
妻は前々からこのきのこを編みたいとは言っていたのですが、ユザワヤで素材を探している際にちょうどいい具合の透明なビーズを見つけてしまい、もう待っていられなくなったというわけです。
題材となったのは七年前に見つけた左の写真のきのこで、後追いで慌てて調べたのですが、この手の硬質菌は幼菌の状態ではなかなか見分けがつきません。
生えていた環境や見た目の感じからクジラタケかとも思ったのですが、この水を吹き出す習性(分解水というそうですが)はツガサルノコシカケのほうが顕著らしく、言われてみればそうも見えてきます。
結局のところどちらかわからないまま、単に水を吹くきのこという、いい加減な名前にしてしまいました。
※ 結局ツガサルノコシカケでよいようです
ところで、妻は右の写真のような、赤茶色の水を吹き出すものも編みたがっていて、残念ながら材料が見つかっていませんが、また未同定のものが増えないよう先に調べておくことにしました。
その結果、どうやらこちらはニクウチワタケと判断するのが妥当のようです。(まねき屋お〜のさんのブログ記事を参考にさせていただきました、ありがとうございます)
ニクウチワタケらしききのこの水吹きはその後も何度か見ており、おそらく左の写真のものもこれかと思われます。 こちらのほうが典型的な形で、右上の写真のものはどういうわけか傘が反り返って裏返しになってしまった状態のようです。
ちなみに脱線ついでに他の水吹ききのこについても紹介すると、こちらはあまり顕著ではないのですが、ヒラフスベでも時々このような現象を見かけます。
この写真では黄色っぽい水滴になっていますが、赤茶色の水滴になる場合もあるようで、じつはこの写真の個体も別の角度から撮ったものは赤茶色の水滴を蓄えていました。
もしかするとこの黄色の水滴も出始めで、時間が経つと赤茶色になるのかもしれません。
ヒラフスベと思われるきのこでは左の写真のように、無色透明な水滴が付いているものも見ていますが、この写真を撮ったのは雨上がりの翌日で、単に雨粒が幼菌のまだビロード状の表面に弾かれてこのような状態になっているのかもしれません。
ただ右上のヒラフスベもよく見ると透明の水滴が付いている部分があり、もしかするとヒラフスベでは最初は透明だった水滴が、熟成するのか濃縮するのか、次第に黄色を経て赤茶色に変わってゆくのかもしれません。
きのこの水吹きの話題から、すっかり編みぐるみを脱線してしまいましたが、またいつもの通り交差法による裸眼立体視写真を載せて、話をまとめます。