きのこの編みぐるみ 〜 スエヒロタケ
2013年 09月 08日
妻が編み物の余り糸で作ってくれたきのこの編みぐるみの四十九作目、スエヒロタケです。
前回ニオイコベニタケという、いかにも一般的なきのこらしい形の編みぐるみを作ったのですが、やはりまたこういう、一般的にはあまり見向きもされないきのこになりました。
スエヒロタケは、図鑑ですら乾燥してひからびたような姿しか載っていないことが多く、地味なきのこの印象がぬぐえないのですが、じつは近所にこのスエヒロタケが大発生する樹があり、今年は空梅雨で壊滅状態になってしまったものの、新鮮な状態で見るとじつに見事な姿を見ることができます。
それは地味どころか、左の写真のような極めて精巧で美しいひだを持っており、スエヒロの名も先が拡がっているというだけで何となくついたものではなく、これをスエヒロと言わずして何と言うかという感じでしょう。
こんなみずみずしいスエヒロタケを見て以来、いつか編もうと思っていたそうで、いろいろと編みかたを考えたすえ、ようやっと満を持して制作に至ったようです。
そんな思い入れもあって、とくに裏側のあの美しいひだの雰囲気を再現しようと苦労していましたが、さすがに編み物では完全に再現とまではいかないものの、生えたばかりのみずみずしいスエヒロタケの姿は伝わるのではないかと思います。
ただ、そもそも編みぐるみ以前に実物のスエヒロタケの美しさ自体をどれだけわかっていただけるのかというところが少々不安なところもあります。
もしスエヒロタケのひからびた灰色っぽい姿しかご存じないかたがいらしたら、編みぐるみを作ってはしゃぐだけの価値がある、すてきなきのこだと意識していただいて、ぜひ実物の新鮮な姿もご覧いただければと思います。
なお、また恒例の交差法による立体視写真も載せておきます。