久々にうるさいアブラゼミの声
2012年 08月 12日
昨日、やけにセミの声が近いと思い、探してみると、すぐ窓の外に貼り付いていました。
ところで、我が家の近辺だけなのかもしれませんが、今年の夏はやけにアブラゼミが少ないように感じます。 いつもならまるで小学校の夏休みに合わせたかのように、海の日あたりから声が聞こえ始め、今頃はあまりに多くの声が共鳴して、どこで鳴いているのかわからないほどになったりするはずですが、八月の頭まではニイニイゼミとヒグラシばかり、アブラゼミの声が継続して聞こえるようになったのがようやっと先週あたりで、もうツクツクホウシの声すら聞こえ始めてしまいました。
しかも今時期なら圧倒的に主役になっていそうなものが、今年はミンミンゼミにかなり押されている感じです。 もっともこのあたりはそうでなくともミンミンゼミ率がかなり高いようにも思えるのですが。
しかし今まで、毎年空間を埋め尽くすようにぐゎんぐゎんと響くアブラゼミの声を聞きながら、この声が暑さを一層助長しているように思い、こいつらが鳴かなければ、もう少し快適に過ごせるのではと思っていたのですが、今年その想像していた状態になってはじめて、それが誤りだったことを思い知らされました。
アブラゼミが鳴こうが鳴くまいが、やはり暑いものは暑いのであって、むしろ摂氏三十五度近い中でしーんと静まり返っていたり、ニイニイゼミの抑揚のまったくない
「チーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
という声を聞いていると、べっとりと粘っこいような暑苦しさに包まれ、息もできなくなるような不快な気分に陥ることがわかりました。
それと較べれば、アブラゼミは暑苦しいといっても、「ジリジリジリ」といった感じの細かな抑揚はあり、そこにミンミンゼミが加われば、一時期家電製品などで流行した一種のゆらぎのような効果で、それなりに不快さを和らげてくれているようでした。
心理的なものとはいえ、やはり季節のものは、それなりに必要な役割を果たすもののようです。
ちなみに、通勤途中や井の頭公園など他の地域で注意して聞いてみると、ここまで極端にアブラゼミが少ないのはどうやらこの近辺の限られた現象のようです。 深大寺に越してきたのが三年前でしたのでわかりませんが、アブラゼミはたしか六年だか七年だかの周期なので、この地域ではもしかするとその周期でこのようなことが起きているのかもしれません。